近畿漢詩連盟 - 近畿の力で漢詩を未来へ -

京都大会受賞作

平成28年度全日本漢詩大会京都大会 受賞作

文部科学大臣賞

東京都  山田 溪琶

 古都晩景     古都晩景

秋老鴨川斜日浮  秋老ゆる鴨川 斜日浮かび
浮圖千載地偏幽  浮図は千載 地は偏に幽なり
幽鐘勾引東山月  幽鐘は勾引す 東山の月
月冷觀音堂外秋  月冷ややかなり 観音堂外の秋

京都府知事賞

宮城県  手塚 秀

 平泉懷古     平泉懐古

獨登高館一川長  独り高館に登れば 一川 長く
夏草靑靑古戰場  夏草の青々たり 古戦場
俳聖情窮流涙處  俳聖 情 窮りて 涙を流せし処
奥州五月雨光堂  奥州 五月 光堂に雨ふる

京都市長賞

兵庫県  渡辺 岳耀

 春郊所見     春郊所見
    
燕燕差池柳色新  燕々 差池 柳色 新たなり
桃紅李白喚芳醇  桃紅李白 芳醇を喚ぶ
斷霞飛盡天將暮  断霞 飛び尽し 天 将に暮れんとす
一路東風多醉人  一路 東風 酔人 多し

古典の日推進委員会会長賞

愛知県  赤堀 條風

 廢寺       廃寺

植杖山中廢寺前  杖を植つ 山中の廃寺の前
傾樓頽閣帶寒煙  傾楼 頽閣 寒煙を帯ぶ
時鐘絶久無常響  時鐘 絶えて久し 無常の響
徒有歸鴉譟暮天  徒だ帰鴉の暮天に譟ぐ有り

京都府教育委員会教育長賞

鳥取県  平田 徳男

 春社觀櫻     春社観桜

賽來社日惠風晨  賽し来たる社日 恵風の晨
塵外賞花天地新  塵外に花を賞すれば 天地 新たなり
祈願太平不歸去  太平を祈願して帰り去らず
紅雲紅雨一村春  紅雲 紅雨 一村の春

京都市教育長賞

兵庫県  淺野 玖城

 功山寺懷高杉東行  功山寺にて高杉東行を懐ふ

何甘亂世作能臣  何ぞ甘んぜんや 乱世に能臣と作るに
一擧回天宿志伸  一挙 天を回らして 宿志 伸ぶ
死地樂生豪勇極  死地に生を楽しむは豪勇の極み
欽君枕冑夢佳人  欽ふ 君が冑に枕して佳人を夢みしを

全日本漢詩連盟会長賞

石川県  安田 葩舟

 那谷寺遊仙境   那谷寺遊仙境

驕陽照映石山皚  驕陽 照映し 石山 皚し
磴道登攀仙境開  磴道 登攀すれば 仙境 開く
傳得千年修行跡  伝え得たり千年 修行の跡
巨巖靈氣迫吾來  巨巌の霊気 吾に迫りて来たる

近畿漢詩連盟会長賞

神奈川県  藤井 幹生

 過周總理詩碑   周総理の詩碑に過る

夙識同根情誼深  夙に識る 同根の情誼 深きを
國交恢復盡丹心  国交恢復 丹心を尽くす
淸廉魂魄今何在  清廉の魂魄 今 何くに在りや
松韻微聞渡月潯  松韻 微かに聞く 渡月の潯

NHK京都放送局賞

神奈川県  秋吉 邦雄

 鶴陵廟偶成    鶴陵廟偶成

亭亭朱廟屹靑天  亭々たる朱廟 青天に屹ち
鬱鬱綠雲纍紫烟  鬱々たる緑雲 紫煙を纍う
磴上偏憐小靈樹  磴上 偏えに憐れむ 小霊樹
櫱裁期得又千年  櫱裁 期し得たり 又た千年

(※鶴陵廟:鶴岡八幡宮)

KBS京都賞

兵庫県  野田 岳豊

 驟雨       驟雨

沛然驟雨伴遙雷  沛然たる驟雨 遥雷を伴う
忽地轟轟家欲頽  忽地 轟々として 家 頽れんと欲す
一洗滿村炎暑去  満村の炎暑を一洗して去り
茅檐乍化納涼臺  茅檐 乍ち化す 納涼台

京都新聞賞(若年者奨励賞)

東京(椚田中三年) 飯田 航輝

 日光東照宮三猿  日光東照宮の三猿

晃山名刹總珍奇  晃山の名刹 総て珍奇
匾額三猿三變姿  匾額の三猿 三変の姿
不見不言猶不聽  見ず 言わず 猶お聴かず
今人此道得心遲  今人 此の道 心を得ること遅し