近畿漢詩連盟 - 近畿の力で漢詩を未来へ -

古典の日制定記念文化講演会報告

イベント報告 『古典の日制定記念文化講演会 地域の資料から古典に親しむ』

乙訓地名詩編纂「チーム乙訓」 鵜野高資代表

 平成25年1月20日(日)、乙訓地名詩編纂「チーム乙訓」が主催、長岡京市教育委員会が共催する題記の講演会が長岡京市立図書館において開かれました。明治期の古文書を提供された正木家の当主を始めとして、郷土史の発掘に携わってこられた地元の人達、漢詩連盟関係者ら60余名が集まり盛大な講演会となりました。

 京都西南部に位置する旧乙訓郡は、わが国の漢詩文化史上、平安時代より室町・江戸時代を経て明治期の地域庶民による作詩活動に至るまで、数多くの珠玉の作品を残してきました。これらの豊富な文化遺産を地域の絆で掘り起こし、地域の人々の誇りとして味わっていきたいものです。さらに漢詩にとどまらず、地名を詠ずる歴史的な俳諧や和歌も併せて楽しみ、次世代に継承していきたいと考えています。このような趣旨に沿って、先に『乙訓地名詩 第一輯』が刊行され、今回の講演会につながったものです。

 講演はまず、長岡京市教育委員会 文化財係専門員の百瀬ちどり氏から「文化のネットワークと心の絆」という演題で、今回の地名詩発掘の大きな目玉となった今里正木彰家文書と当時の当主、正木聳山の生涯が紹介され、このような文化を楽しんできた地元の人々の輪について話がありました。

 次いで、この調査に協力された、佛教大学非常勤講師の新稲法子先生より「日本人の漢詩における地名」との演題で、漢詩における地名の扱い事例や、俳句や和歌における地名の取扱いと漢詩における取扱の違いなどについて話がありました。最後に、「チーム乙訓」からは地名詩編纂の経緯や、活動を通して郷土愛を深め、地域のアイデンティティーを高めていった成果などについて話がありました。

 会場では当時の漢詩サロンの状況を生々しく伝える詩稿や、明治維新に今里村の有力者たちが残した血判状なども展示され、出席者の関心を呼んでいました。

 「チーム乙訓」では地名詩第二輯の発刊に向けて活動を続けると同時に、第一輯をテーマ毎に観賞する「地名詩を読む会」も4月から6回の予定で隔月に開催されます。
また、講演会開催後、屏風に仕立てられた文章を読んで欲しいとの要請が舞い込むなど嬉しい悲鳴を挙げています。これらの活動に対して、漢詩連盟をはじめとして皆さまのご協力をお願いして筆をおきます。

(編集者注)地名詩第一輯の入手や「地名詩を読む会」のお問い合わせは、鵜野高資さんまで(TEL/FAX:075-952-5790)。

kotennohi.jpg